REALFORCE日本語配列(R2TLA-JPV-IV)をMacに最適化する

Published by @SoNiceInfo at 3/25/2021


R2TLA-JPV-IVのキーボードの画像

はじめに

ついにキーボードの世界で有名なREALFORCEを手に入れました。
購入したのは日本語配列、変荷重、APCが使えるR2TLA-JPV-IVというモデルです。
購入前に色々ネットで調べたのですがMacユーザはHHKB利用者が多いのか、REALFORCE for MacじゃないものをMacで利用しているのをあまり見かけませんでした。
MacユーザでどのREALFORCEを使えばいいか迷っている方に普通のREALFORCEも選択肢に入るということが伝わればいいなと思います。(Windowsユーザの方にもぜひ)

Macでのキーの最適化は標準機能だけで行います。Karabiner-Elements等の外部ソフトは使いません。 HHKB Professional JPも利用していたので時々比較しながら進めていきます。

目次

なぜR2TLA-JPV-IVなのか

日本語配列への回帰

会社では日本語配列キーボードを利用しているので自宅で使うキーボードも日本語配列にしました。
自分は英語配列のMacBookを10年ほど使っていて指が覚えているのか、平たいキーボードでは英語配列でもスムーズに打てました。
しかし、猫背対策にMacBookを台の上に置くようになり、Filco Majestouch英語配列(Windowsでゲーム用に使用していた)を使ったところ主にカギカッコなどの記号でミスタイプが多くなりストレスになっていました。
一見Macでは利用できなそうな「変換」「無変換」キーも「⌘ Command」キーを割り当ててしまえば普通に使えそうなキーボードに見えてきませんか。

変荷重で小指への負担を軽減

薬指、小指への負担を少なくするために変荷重を選択しました。REALFORCEは通常45g荷重ですが変荷重モデルだと、薬指・小指ゾーン35gとなっていて少ない力で打てるようになっています。
HHKBも荷重はすべて45gなのですが使っていると特に小指が痛くなってくるようになったので、小指に優しい変荷重タイプにしました。

APCで軽やかに入力

REALFORCEはキーストロークは4mmですが、APC機能を使うと入力と判断されるポイント(アクチュエーションポイント)が1.5mm, 2.2mm, 3.0mmから選べます。
会社にあるAPC機能付きのREALFORCEで1.5mmに設定すると非常に入力がしやすく自分にあっていると感じたためAPC機能はREALFORCE選びに必須でした。
HHKBは使っていてなんとなく疲れるなと感じていたのは、自分があまり深くまでキーダウンしないことと、アクチュエーションポイントが3.5mmとだいぶ深めだったことが関係していたと思います。

接点と接触するアクチュエーションポイントは深さ3.5mm、キーピッチは19.05mm、キー加圧は45g基準。

MacとR2TLA-JPV-IVの組み合わせでは、アプリが非対応なためキーごとのAPC設定はできないことは注意してください。

なぜREALFORCE for Macではないのか

REALFORCE for Macのキー配列は無駄が多いことを示す画像

自分がもし英語配列が選択肢に入るならREALFORCE for Macを選択していたと思います。キー配列といい、ディスプレイ輝度や音量等が標準でサポートされており非常に魅力的です。
しかし、今回は日本語配列キーボードで探していました。REALFORCE for Mac日本語配列は左上に「E/J」切り替えキーがあるにも関わらずMacにある「英数」「かな」キーがありスペースキーがその分狭くなっています。 Macのキー配列を標準でサポートすると「英数」「かな」キーがあるのは当然です。しかし、自分にとってはそれよりもスペースキーが「C」「M」キーの真下あたりにあることが非常に重要であったのでREALFORCE for Macは選択しませんでした。

今回はMac側でキー配列をいじることを前提に購入しました。時々Windowsを使うことがあるので同じキーボードで切り替えボタン等を必要とせずにWindows準拠のキーボードとしても使えることもR2TLA-JPV-IVを選んだ理由のひとつです。

そもそもR2TLA-JPV-IVをMacで使えるのか

使って使えないことは無いですが、快適に使おうと思うと答えは否です。デフォルトでは以下のようになっています。

R2TLA-JPV-IVをMac利用するとデフォルトでは使えないキーがある
  • 「⌘ Command」が「Windows」キーの位置にある
  • 「変換」「無変換」「カタカナひらがな」は押しても反応がない
  • 「半角/全角」は英字配列の「`/~」に、「Insert」は「Help」になっている
  • 右上の3つの「Print Screen」等のキーは順に「F13」「F14」「F15」となっている。

一方でいい驚きもあり、REALFORCEのファンクションキーを利用したメディアの再生・戻る・進むがミュージックアプリでは有効になっていました。音量調節もREALFORCEで提供されているFn+矢印キーで機能しました。
次のセクションからMacのキー配列に最適化していきます。

R2TLA-JPV-IVをMacに最適化

目指すキー配列

R2TLA-JPV-IVをMacに最適化して目指すキー配列

目指すキー配列はこの様になっています。

hidutilでキー配列を変更する

macOS Sierraから`hidutil`というキー変更ソフトが導入されました。Terminalから呼び出すか、保存するには~/Library/LaunchAgents配下にplistファイルを用意して起動時に読み込むようにします。 変更する元のキーと、変更したい先のキーをUSBキーコードを用いて指定します。今回設定する内容はこうなっています。

変更元キーコード変更先キーコード
無変換0x70000008B左Command0x7000000E3
変換0x70000008A右Command0x7000000E7
カタカナひらがな0x700000088右Alt(Option)0x7000000E6
右Alt(Option)0x7000000E6英数0x700000091
右Control0x7000000E4かな0x700000090
半角/全角0x700000035Clear0x700000053

上から解説していきます。
無変換・変換は「⌘ Command」に割り当てています。「英数」「かな」よりも使用頻度が高い重要なキーです。
「カタカナひらがな」「右Alt(Option)」「右Control」キーはほとんど使わないのでそれぞれ「右Alt(Option)」「英数」「かな」を割り当てました。
「半角/全角」は適当に余っていて使わなそうな「Clear」にしました。これを割り当て変更しないと日本語英語の入力切り替えができなくなります。

このあたりは先駆者様たちの設定を非常に参考にさせていただきましたのでここでリンクを紹介させていただきます。
macOS Big Sur(ベータ版)でキー入力をリマップする(windows keyboard用) - Qiita
USBキーボードのキーコード

作成したキーの変更を試す場合にはTerminalで以下のコマンドを実行します。
記事がいたずらに長くなるのでplistファイルの作成方法は省略します。先駆者様の方法を参考にしてください。

hidutil property --set '{
    "UserKeyMapping": [
        {
            "HIDKeyboardModifierMappingSrc": 0x70000008B,
            "HIDKeyboardModifierMappingDst": 0x7000000E3
        },
        {
            "HIDKeyboardModifierMappingSrc": 0x70000008A,
            "HIDKeyboardModifierMappingDst": 0x7000000E7
        },
        {
            "HIDKeyboardModifierMappingSrc": 0x700000088,
            "HIDKeyboardModifierMappingDst": 0x7000000E6
        },
        {
            "HIDKeyboardModifierMappingSrc": 0x7000000E6,
            "HIDKeyboardModifierMappingDst": 0x700000091
        },
        {
            "HIDKeyboardModifierMappingSrc": 0x7000000E4,
            "HIDKeyboardModifierMappingDst": 0x700000090
        },
        {
            "HIDKeyboardModifierMappingSrc": 0x700000035,
            "HIDKeyboardModifierMappingDst": 0x700000053
        }
    ]
}'

日本語英語の入力切り替え・ディスプレイ輝度調整キーの割り当て

Macで日本語英語の入力切り替え・ディスプレイ輝度調整キーの割り当てを実施する方法。

システム環境設定>キーボード>ショートカットと進んでいき変更していきます。
変更したい機能のところでキーコンビネーションをクリックして新しいキーを割り当てます。ここでは日本語英語の入力切替に「Clear」、ディスプレイの輝度調整に「F1」「F2」を割り当てています。
「Launchpad」や「Mission Control」を「F3」「F4」キーに割り当てたい場合もここで変更してください。

Caps LockをControlに変更する

この変更はREALFORCEの機能で「Fn + F11」で変更します。変更後「Fn + F9」で保存しましょう。REALFORCEファンクションキー(pdf)「Caps Lock」がこんなに大きく幅をきかせてるのはもったいないので「Control」に変更します。Macは「Control」と「a/b/f/n/p/e/h/d」の組み合わせでカーソル移動が便利にできるのでより近くにControlがあることはいいことなのです。

東プレ REALFORCE A R2 テンキーレス APC機能付き 日本語 静電容量無接点方式 USB 変荷重 昇華印刷 かな表記あり アイボリー R2TLA-JPV-IV
東プレ REALFORCE R2TLA-JPV-IV
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東プレ(Topre Corporation)

むすび

これで僕の考えた最強のキーボードが完成しました。
macの「fn」を割り当てれなかったことや「Insert」に有効なキーを割り当ててないのがもったいない感じがするのでおすすめがあればぜひ教えて下さい。

追記: Insertにfnを割り当てました

keyboard - What is the hex ID for Fn key - Ask Differentに「fn」を割り当てるためのキーコードが書いてありました。
自分は「Insert」に割り当てました。

hidutil property --set '{
    "UserKeyMapping": [
        ...省略...
        {
            "HIDKeyboardModifierMappingSrc": 0x700000049,
            "HIDKeyboardModifierMappingDst": 280379760050179
        }
    ]
}'