Published by @SoNiceInfo at 2026/10/13
Macでパスワード付きのZIPを作りたいとき、Finderの圧縮では作れません。macOSに最初から入っているzipコマンドなら作れますが、Windowsの相手に送ると日本語のファイル名が文字化けします。 この記事では、パスワード付きZIPを作る2つの方法と、Windowsの相手が開ける暗号化の選び方、パスワードの伝え方を紹介します。 コマンドの動作は、筆者の環境(macOS 27)で実際にZIPを作って確かめています。
| 方法 | 暗号化 | 日本語のファイル名 | .DS_Store | 準備 |
|---|---|---|---|---|
| ZipScope (おすすめ) | ZipCrypto / AES-256、7z(AES-256) | Windowsで文字化けしない | 入れない | App Storeからインストール(パスワード付きはPro) |
| zipコマンド | ZipCryptoのみ | Windowsで文字化けする | 入る(-xで除外できる) | 不要(ターミナル操作) |
| Finderの圧縮 | できない | ─ | ─ | ─ |
パスワード付きZIPの暗号化には、昔からあるZipCryptoと、強力なAES-256の2種類があります。どちらを選ぶかは、相手が何で開くかで決まります。
| 形式と暗号化 | 暗号の強さ | Windows標準の機能で開けるか | 相手に必要なもの |
|---|---|---|---|
| ZIP + ZipCrypto | 低い | 開ける | なし(エクスプローラーで開ける) |
| ZIP + AES-256 | 高い | 開けない | 7-Zipなどのソフト |
| 7z + AES-256 | 高い | 開けない | 7-Zipなどのソフト |
ZipCryptoは古い方式で、ZIPの中身の一部が推測できると解読されてしまう弱点(既知平文攻撃)が知られています。 相手がソフトを入れられる、または強い暗号が必要な場合はAES-256を、相手に何も入れてもらわずに開いてほしい場合はZipCryptoを選びます。
ZipScopeは、パスワード付きのZIP・7zを作れる、筆者が開発しているMac用の解凍・圧縮アプリです。 暗号化を選ぶと、Windows標準の機能で開けるかどうかが表示されるので、送った相手が開けないトラブルを防げます。
右クリックで圧縮
Finderでファイルやフォルダを選び、右クリックして「ZipScope で圧縮」。メニューバーのアイコンにoptionキーを押しながらドロップすると、AES-256を選んだ状態で開きます。
暗号化とパスワードを選ぶ
「暗号化」でZipCrypto(互換性優先)かAES-256(推奨)を選び、パスワードを2回入力。ランダムなパスワードの生成もできます。
「作成」をクリック
パスワード付きのZIPができ、Finderで表示されます。

パスワード付きの作成は、Pro(買い切りのアプリ内課金)の機能です。パスワードなしのZIP作成と、ZIP・7z・RAR・LZHなどの展開・閲覧は無料で使えます。 ネットワーク通信は行わないので、ファイルがMacの外に送られることはありません。
macOS 14以降 · Apple Silicon / Intel 対応
macOSに最初から入っているzipコマンドに-eを付けると、パスワード付きのZIPを作れます。ターミナルで、圧縮したいフォルダがある場所へ移動して実行します。
cd ~/Desktop
zip -e -r 資料.zip 資料フォルダ -x "*.DS_Store"実行するとEnter password:とVerify password:が表示されるので、同じパスワードを2回入力します(入力した文字は表示されません)。-x "*.DS_Store"は、.DS_Storeを入れないための指定です。
手軽ですが、次の点に注意してください。
-P パスワードでパスワードをコマンドに直接書くこともできますが、ターミナルの履歴に残るので避けたほうが安全です。Finderの圧縮にはパスワードを付ける設定がありません。ディスクユーティリティで暗号化したディスクイメージ(.dmg)はパスワードで保護できますが、.dmgはWindows標準の機能では開けないので、Windowsの相手に送る用途には向きません。
パスワード付きZIPをメールで送り、続けてパスワードを別のメールで送る方法は、日本ではPPAPと呼ばれています。 2通とも同じ経路を通るので、メールが第三者に見られた場合はパスワードも一緒に見られてしまい、効果が薄いとされています。2020年には、内閣府と内閣官房がこの方法をやめると発表しました。
作れません。Finderの圧縮にはパスワードを付ける設定がありません。ターミナルのzipコマンドか、パスワード付きの作成に対応したアプリを使います。
AES-256で暗号化したZIPは、Windows標準の機能(エクスプローラー)では開けません。相手に7-Zipなどのソフトを使ってもらうか、ZipCryptoで作り直してください。 ZipCryptoならWindows標準の機能で開けますが、暗号の強さは低めです。
見られます。ZIPの暗号化はファイルの中身にかかるもので、ファイル名の一覧はパスワードを知らなくても表示できます(この記事の検証でも、パスワード付きZIPの一覧をパスワードなしで表示できました)。 ファイル名自体が秘密なら、名前を変えてから圧縮してください。
おすすめしません。日本語のパスワードは、作ったソフトと開くソフトで文字の扱い方(UTF-8かShift_JISか)が違うと、正しいパスワードを入れても開けないことがあります。 半角英数字と記号にしておくのが確実です。ZipScopeは、日本語のパスワードが付いたZIPを開くとき、UTF-8とShift_JIS(CP932)の両方を自動で試します。
ZIPとは別の手段(電話、チャット、SMSなど)で伝えるのが基本です。ZIPを送ったメールの直後に、パスワードを別のメールで送る方法は、同じ経路を通るため効果が薄いとされています。 詳しくはパスワードの伝え方を参照してください。
Macでパスワード付きZIPを作るには、ターミナルのzipコマンドか、アプリを使います。zipコマンドは追加のインストールが要りませんが、暗号化はZipCryptoだけで、日本語のファイル名はWindowsで文字化けします。Windowsの相手に送るなら、Windowsで開けるかを確かめながら暗号化を選べて、文字化けもしないZipScopeが手軽です。 パスワードは、ZIPとは別の手段で伝えましょう。