Published by @SoNiceInfo at 9/21/2026
MacでJPG・PNG・HEICなどの画像をJPEG XL (.jxl) へ一括変換するなら、いちばん手軽なのはGUIアプリのImage Tool+です。 画像やフォルダをドラッグ&ドロップして出力形式にJPEG XLを選ぶだけで、画像はMacの外へ出ません。 ターミナルに慣れているなら、Homebrewで入れられる公式エンコーダcjxlも使えます。 なお、macOS標準のsipsコマンドはJPEG XLを読み込めますが書き出しには対応していないため、標準機能だけでは.jxlを作れません(後述)。
JPEG XLはJPEGの後継として作られた画像フォーマットで、ロスあり・ロスなしの両方の圧縮、高ビット深度、HDR・広色域、プログレッシブ表示に対応します。 Mac上でオフラインのまま.jxlを作る方法は、実質的にGUIアプリとcjxlコマンドの2つです。
| 項目 | Image Tool+ (おすすめ) | cjxl (コマンドライン) |
|---|---|---|
| 一括変換 | ドラッグ&ドロップ(フォルダごと可) | シェルのforループが必要 |
| HEICの入力 | そのまま読み込める | 不可(先にJPEGやPNGへ変換が必要) |
| JPEGのロスなし再圧縮(元に戻せる) | ― | 対応(JPEG入力時の初期動作) |
| リサイズ・リネーム・透かし | 同時に適用できる | 不可(別のツールが必要) |
| GUI | あり | なし(ターミナル) |
| 準備 | Mac App Storeからインストール | Homebrewとbrew install jpeg-xl |
| 画像のアップロード | 不要 | 不要 |
Mac用の画像一括変換アプリ Image Tool+は、HEIC・PNG・JPG・GIF・TIFF・PSD・PDFなどを読み込み、JPEG XLを含む10種類の形式で書き出せる、筆者が開発しているMac専用アプリです。 使い方は、画像やフォルダをウィンドウへドラッグし、出力形式を選び、Startを押すだけです。
画像をドラッグ
FinderからJPG・PNG・HEICなどを複数枚まとめて投げ込むだけ。フォルダごとでもOK。
出力形式でJPEG XLを選ぶ
WebP・AVIF・PNG・JPGなども同時に選べます。リサイズ・透かし・リネームも一度に設定。
Startを押す
JPEG XL (.jxl) がまとめて出力されます。
変換と同時に、リサイズ、リネーム、透かしの挿入、メタデータの編集、背景除去までまとめて行えます。HDR・広色域の情報も保ったまま書き出せます。 処理はすべてMacの中で行われ、画像をどこかへアップロードする必要はありません。買い切りのアプリで、サブスクリプションはありません。
なお、姉妹アプリのWebP Converter.とAVIF Converter.はそれぞれWebP・AVIFへの変換に特化しており、JPEG XLの書き出しには対応していません。JPEG XLへ変換できるのはImage Tool+です。
macOS 12以降 · Apple Silicon ネイティブ
cjxlはJPEG XLのリファレンス実装 (libjxl) に付属する公式エンコーダです。スクリプトに組み込みやすく、後述するJPEGのロスなし再圧縮も行えます。 Homebrewが入っていれば、次のコマンドでインストールできます。デコーダのdjxlも一緒に入ります。
brew install jpeg-xlJPEGを入力した場合、cjxlは初期設定でロスなしの再圧縮 (lossless transcode) を行います。画質はまったく変わらず、ファイルだけが小さくなります。
cjxl input.jpg output.jxlこうして作った.jxlは、djxlで元のJPEGへ戻せます。筆者の環境では、戻したJPEGが元のファイルとビット単位で完全に一致することをcmpコマンドで確認しました。
djxl output.jxl restored.jpgPNGなどからロスありで変換する場合は、-d (distance) で画質を指定します。-d 1は見た目ではほぼ劣化が分からない設定で、数値を大きくするほどファイルが小さくなります。
cjxl input.png output.jxl -d 1ロゴやスクリーンショットなど、劣化させたくない画像は-d 0でロスなし圧縮にします。
cjxl input.png output.jxl -d 0-d ─ 画質 (distance)。0がロスなし、1が視覚的にほぼ無劣化。数値が大きいほど小さく、粗くなります。-e ─ エンコードの手間 (effort)。初期値は7で、大きくするほど時間がかかる代わりにファイルが少し小さくなります。フォルダ内のJPGをまとめて変換するには、シェルのforループを使います。元ファイルは残り、同じ名前で拡張子が.jxlのファイルが作られます。
for f in *.jpg; do cjxl "$f" "${f%.*}.jxl"; doneなお、cjxlはHEICを直接読み込めません。iPhoneで撮ったHEICを変換したい場合は、先にsipsでJPEGやPNGへ変換するか、HEICをそのまま読み込める方法1を使ってください。
「標準機能だけでできないの?」という疑問への答えは、執筆時点では「表示と読み込みはできるが、書き出しはできない」です。 macOS 14 Sonoma以降はJPEG XLの表示に対応しており、Finderのクイックルックやプレビュー.appで.jxlを開けます。 一方、標準の画像変換コマンドsipsの対応フォーマットは次のコマンドで確認できます。
sips --formats | grep -i jxl筆者の環境 (macOS 27) ではpublic.jpeg-xl jxlと表示されますが、JPEGやPNGの行にあるWritableが付きません。実際にsips -s format jxlを実行しても、ファイルは出力されませんでした。 逆方向、つまりJPEG XLからJPEGへの変換はsipsでも行えます。
sips -s format jpeg input.jxl --out output.jpg1600×1064ピクセルの写真1枚を、cjxlで変換した結果です。 あくまで1枚の例で、削減率は画像の内容や設定によって変わります。
| 元画像 | コマンド | 変換後 | 備考 |
|---|---|---|---|
| JPEG 230 KB | cjxl (ロスなし再圧縮) | 187 KB | 約19%減。元のJPEGへ完全に戻せる |
| PNG 1.86 MB | cjxl -d 0 (ロスなし) | 1.09 MB | 約41%減 |
| PNG 1.86 MB | cjxl -d 1 (ロスあり) | 177 KB | 視覚的にほぼ無劣化の設定 |
計測環境: macOS 27、cjxl v0.12.0。
注目したいのは1行目です。すでにJPEGとして持っている写真を、画質を1ビットも変えずに約2割小さくでき、必要になればいつでも元のJPEGへ戻せます。
JPEG XLの対応状況は変化が続いています。以下は執筆時点の情報で、二次情報にもとづく部分を含みます。最新の状況は caniuse.com/jpegxl で確認してください。
.jxlを表示できます。ChromeとFirefoxでは標準で有効にする計画が進んでいますが、現時点でWebサイトにJPEG XLを使うなら、<picture>タグでのフォールバックが必須です。 ブラウザは上から順に、自分が対応している最初の形式を読み込みます。
<picture>
<source type="image/jxl" srcset="/images/hero.jxl" />
<source type="image/avif" srcset="/images/hero.avif" />
<source type="image/webp" srcset="/images/hero.webp" />
<img src="/images/hero.jpg" alt="..." width="1600" height="1064" />
</picture>いまJPEG XLがいちばん力を発揮するのは、配信よりも写真のアーカイブです。 JPEGをロスなしのまま約20%小さく保管でき、元のJPEGへ戻せること。高ビット深度、HDR・広色域を扱えること。プログレッシブ表示に対応していること。撮影データを長く残したい写真家にとって、どれも実用的な利点です。
cjxlのロスなし再圧縮。いつでも元のJPEGへ戻せます。 HDR・広色域を保ったマスターをJPEG XLで書き出したい、リサイズやリネームも同時に済ませたいならImage Tool+が向いています。<picture>タグの先頭に加える形にしてください。 Image Tool+ならJPEG XL・AVIF・WebPを1回の操作でまとめて書き出せます。フォーマットの選び方はWebPとAVIFの比較を参照してください。cjxl。-dと-eで画質と速度を細かく指定できます。JPEG XL (拡張子 .jxl) は、JPEGの後継として標準化された画像フォーマットです。ロスあり・ロスなしの両方の圧縮に対応し、高ビット深度、HDR・広色域、透過、プログレッシブ表示を1つの形式で扱えます。 既存のJPEGを画質を変えずに約20%小さく再圧縮でき、しかも元のJPEGへ完全に戻せる点が、ほかの次世代フォーマットにない特徴です。
執筆時点では、初期設定のままJPEG XLを表示できる主要ブラウザはSafari 17以降だけです。Chrome 145 (2026年2月) とFirefox 152 (2026年6月) でデコーダが再び搭載されましたが、どちらもフラグや設定で有効にしない限りオフのままで、標準で有効にする計画が進んでいる段階です。 最新の状況は caniuse.com/jpegxl で確認してください。Webサイトで使う場合は<picture>タグでのフォールバックが必須です。
はい。cjxlにJPEGを入力すると、初期設定でロスなしの再圧縮 (lossless transcode) が行われます。画質は一切変わらず、djxlで元のJPEGへ戻せます。 筆者の環境では、戻したJPEGが元のファイルとビット単位で完全に一致することをcmpコマンドで確認しました。
はい。macOS 14 Sonoma以降はJPEG XLの表示に対応しており、Finderのクイックルックやプレビュー.appでそのまま開けます。 ただし標準のsipsコマンドはJPEG XLを読み込めるだけで、書き出しには対応していません。JPEG XLからJPEGへ戻す方向の変換はsipsでも行えます。
Webサイトでの配信が目的なら、執筆時点では主要ブラウザすべてが対応しているAVIFとWebPが基本です。JPEG XLは、JPEGをロスなしで小さくして保管する、高ビット深度やHDRのマスターを残す、といったアーカイブ用途で特に強みがあります。 配信用フォーマットの選び方はWebPとAVIFの比較記事にまとめています。
MacでJPEG XLへ一括変換するなら、まずはGUIアプリのImage Tool+がおすすめです。HEICを含む画像をドラッグ&ドロップするだけで、リサイズやリネームも同時に済ませられます。 ターミナルで作業する人や、JPEGをロスなしのまま小さく保管したい人はcjxlを選んでください。macOS標準のsipsはJPEG XLを書き出せません。 どちらの方法でも、画像をMacの外へ送らずに変換できます。